kamigamo2013's blog

WIN5中心、馬券は本命党で土曜の午前中に勝負レース。1点ワイド勝負を研究中。好きな予想家は治郎丸敬之。政治の先送りより馬券の先送り

君に綴る物語  10  大検  単位制通信高校

 震災当時僕は23歳で、高校へ行っていた。 僕は十代の頃 今からは想像もつかないくらいに 熱にあふれていた。 正直 高校に何もみいだせなかった。 普通誰しもが感じるような疑問に、真っ直ぐに向かい そのくせ解決策など当然もちあわせづに、結果的には家を飛び出しそれから二十歳を迎えるまでは、色んなことをしていた。 それはそうと その頃の僕は、ずーと心に引っかかる問題を解決するべく、22歳より単位制通信制高校へ通っていた。 今考えると この頃にはもうすでに、歯を失っていた。家出をしたままの少年がひとり3年も過ごすと、色んなものを失う。それが僕には歯であり、普通の高校生活であった。 

 当時の僕ら高校中退者が、改めて高校卒業の権利を得ようとしたら、夜間の定時制高校へ通う「4年間。今までの高校中退の単位は反映されない。」か、大学入学資格検定 そう大検というやつ。こちらは年に1度だけテストがあり、一発勝負で落ちると来年。 そう難しくないが、普段のテスト範囲が教科書一年分でそれで60%取れれば合格。そういう感じだった。僕も大検は一度受けた。その試験の帰り道で、チラシをもらう。それがその当時はじめてできた単位制通信制高校の入学案内だった。 

 どこが今までの高校と違うのか? 最大のポイントは、中退した高校での単位、そして通学していた年次を引き継げることだ。 これは画期的だと感じた。 僕は2年生の二学期に中退したので、新しい単位制通信制高校では、一年半の在籍でその間に残りの単位を取れば卒業させてくれるとのことだった。 その時僕は22歳だった。同じ年の子は大学卒業して就職を考えている時期だ。 でも面白いって 思った。

 皆が大学卒業するときに 自分は高校へ再入学する。面白い。実に自分らしい。

 

 そもそも高校を中退し、家出を数年し、多感な若者が世の中の裏側を目の当たりにしないと生活はできず、くだらない劣等感にさいなまれている少年が素直に自分の非を認めるような行為 高校へもう一度行くと言うこと。そう素直になるにはやはり目的ができた事が大きかった。